沖縄戦におけるゲリラ戦やスパイ戦を取り上げた2018年公開の日本のドキュメンタリー映画。
当時、少年兵だった方々や住民へのインタビュー、文章をまとめて映画化したもの。
首里城に作戦本部を置き行われたのが「表」の戦争だとすれば、当作品で描かれているのは「裏」の戦争にあたる。
「表」の沖縄戦については、「激動の昭和史 沖縄決戦」あたりを観るのをおすすめする。
こちらの映画の話も参考までに軽く話すと、作戦参謀の一人である八原 博通(やはらひろみち) 大佐の手記がベースになって作られていると思われる。
※そもそも他の作戦参謀はすべて戦死しているため八原氏の話を元にするしかない。
こちらも購入して読んでみたがクソ長くカチカチのわかりづらい文章なので、内容をさらっと知りたい方は映画を観ることおすすめする。。
文中で陸軍中野学校生が参謀本部に訪ねて来た話があったと思う。(Kindleの検索の方法がわからんので詳細は省略。)部隊が全滅した後に遊撃戦を展開する予定が最初からあったことがわかる。
※もっとも、こういう秘密戦の情報はふつうは口外されないだろうから、参謀本部など軍の作戦に関わる人間にのみ明かされたのだと推測する。
実は私、この遊撃戦がどのように行われたかの詳細がすごく知りたかったわけです。
その内容こそ、この「沖縄スパイ戦史」で描かれている内容そのものだった。
戦後早76年経つ。
当作品は2018年公開だから、それにしても70年以上はゆうに超えている。
何をいまさら?と思う方もいるかもしれない。
しかし、考えてみれば普通のこと。
こういう秘密戦については、すぐに語らえることはまずない。戦争末期なんて、国際法に則っていない違法なこともやっているから、下手すると戦犯に問われる可能性もあるわけですから。
「中野は語らず」という言葉があるように、中野卒の将兵がどんなことを行ったか不明な部分も多い。とは言え、死ぬ間際に語っておきたいという意図があって、近年その内容が明かされることもあるようだ。
秘密戦というぐらいだから、それこそ残忍で非道なことをやっていた。
しかも、兵隊ばかりではなく住民を巻き込んで行われている。住民が住民を殺したりなんてことが普通にあったわけだから、知っていたとしても言えない場合もあったようだ。
今や沖縄戦を経験した世代の人はほとんど居なくなっているからこそこのタイミングなんだろう。
当作品を経て感じたことは、「軍隊は住民を守らない。」それに尽きる。仮にまた戦争が起こった場合、人名最優先でことが進められることは無いんだろうなと思った。
それこそ、シン・ゴジラみたいに、政治家や官僚が右往左往して、組織を守ることを最優先し、住民の命が犠牲にされることは目に見えている。
今のコロナ禍も多少違う話だけど、同じだと思う。果たして、政治家や官僚は何を守りたいんだろう?