半藤一利原作「日本の一番長い日」の映画版。
原作も途中まで読んだが、くどすぎてやめた。ノンフィックション小説であるがゆえ、正確な記述をしていたからだと思う。
1967年版と2015年版があって、評価がだいぶ分かれる。
僕は両方観たわけではなく1967年版のみ観た。
戦争映画を今までたくさん観て来たけど、最高峰だと思う。ぜひみなさんも観て欲しい。
ポツダム宣言受諾から玉音放送までが描かれている。この辺、スムーズに行われたという印象を持っている人が多いが、実はこんなにも紆余曲折があったことは知らないだろう。
政府や軍部の中には、徹底抗戦を主張する人も多かった。御前会議でも、戦争を継続するか終わらせるか、だいたい半々くらいに意見が別れたらしい。最終的には、天皇陛下の聖断を仰ぎ終戦と決まったにも関わらず、それでも揉めた。
君側の奸(くんそくのかん)っていう言葉があって、悪い家臣が天皇陛下をそそのかし終戦に導いているという考えを持っている者もいた。
宮城事件というクーデターも起こっており、当作品でも描かれている。クーデータの中心人物の青年将校を演じた、黒沢敏男さんの演技が鬼気迫る感じでめちゃくちゃ良かった。
ま、紆余曲折があったにせよ、結果的にはポツダム宣言を受諾し終戦へ続く。
玉音放送の前半で君が代が流れるシーンは、泣ける。君が代を聴いてこんなにも涙腺が緩んだのははじめてだ。
残念ながら、AmazonPrimeビデオでは有料のことが多いが、レンタルしてでも観て損はないと思う。