Amazonプライムで戦争映画が見放題だったのでチョイスしてみました。
戦争映画はたくさんありますが、東条英機を主人公として取り上げた作品はそれほど多くありません。
「軍閥」とは、辞書的な意味だと軍部を中心とした政治的勢力・集まりを指します。
太平洋戦争は日本とアメリカとの戦争というほど単純なものでは決してありません。
太平洋戦争が開始されたのは1941年ですが、そのたった5年前に二・二六事件という大事件が起こっています。
(戦争までの過程を扱ったドキュメンタリーでは必ず大きく取り上げられる。)
二二六事件は、皇道派の陸軍青年将校による軍事クーデーターですが、皇道派と統制派の派閥争いだというのが通説です。
この皇道派と統制派というのがまさに軍閥のことです。
日本は1931年に「自存自衛」のために起こした満州事変により満州全土を制圧しました。
首謀者の石原莞爾は不拡大路線を取るが、陸軍統制派は中国内部へ次々と戦線を拡大していきます。
陸軍は所帯が大きいですから、なかなかひとつにはまとまらないわけです。場合によってはまた二二六事件のような軍事クーデターが起こらないとも限らない。
ああでもないこうでもないと方針も決まらないまま支那事変は泥沼化していき、引くにも引けない状況になっていきます。
陸軍の強硬派をおさめるにはこの人しかいないということで首相に任命されたのが、後にA級戦犯として処刑される東条英機です。日本の戦犯といえば、この人を真っ先にイメージする人が多いでしょう。
東条英機=独裁者というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、実は意外と忠実な軍人であったと言われています。
独断専行したりはせず、いちおうは正規のプロセスで物事を決めていて。昭和天皇も信頼を置いていたようです。開戦前も昭和天皇の意向どおり、日米の外交交渉にて対米戦争を避ける努力は一応はしています。
しかし、結果は歴史の教科書にある通り、戦争へと向かっていきます。
開戦までのプロセスや、戦争に反対する人間を排除し権力を集中させていく様子がよく描かれています。
映画としてはあまり面白くなかったけど、ドキュメンタリーとしては良い映画だと思います。