破天荒フェニックス オンデーズ再生物語

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語(※以下、当書籍と呼ぶ)を読んでみた。

当書籍は、眼鏡販売の大手「オンデーズ」の代表取締役である田中修治氏によるノンフィックション小説である。

僕自身、文学などはあまり好きではなく小説もまったく読まない。その理由は、自分の人生に起こりえないような出来事について想像ができず、まったく興味が持てないからだ。

しかし、ノンフィックション小説、あるいはフィックションを元にした小説は意外と好きだ。たとえば、アメーバブログなどを提供しているサイバーエージェントの藤田普氏の「渋谷の社長の告白」などがその例で、僕もITバブル期にIT業界で働いていただけに、状況やストーリーが想像しやすいからだ。

当書籍も、20年ちかく眼鏡をかけている僕にとって非常に想像しやすい物語で、なおかつ田中氏と年齢が近いこともあり、かなり没頭できた。田中氏の経営するオンデーズに起こる数々のトラブルも、まるで自分事のように感じることができた。

実は、オンデーズの眼鏡は10年以上前に購入したことがあるのだが、僕の理解としては、少なくとも当書籍を読むまでは、オンデーズは眼鏡ディスカウント店というイメージしかなかった。そして、フレームは安いけれども、度数の強いレンズを購入すると別料金がとられるわかりにくい値段体系が印象に残っている。

※現在は度数が強くても別料金が取られることはない。そのいきさつは当書籍を読めばわかる。

物語全体を通して、最初から最後まで次から次へと面白いストーリー展開で、飽きることがない内容だが、僕が印象に残っている場面は、やはり東日本大震災時の被災地でのボランティア活動だ。

僕が宮城県在中だからということもあるけれども、東日本大震災で経験した恐怖やその後の復興については書いても書ききれない。被災者である僕は、不幸中の幸いたいしたケガもせず家も無事で、特に困ったことはなかったのだが、周りには亡くなった方や家が流された方が少なくなかった。

僕の周りには、被災者でもボランティアに行ったりする人が多かったが、僕は何もしなかった。ちょうど離職中だったこともあり、自分の仕事を探すことに精一杯で、被害の酷い地域の現実に目を向けることが怖かったのだろう。

田中氏も、オンデーズ買収時、年間売上20億円に対して負債が14臆円という最悪の財務状況の会社の再建をしている途中に起こった震災だったため、義援金を送れないことに対して少なからず引け目を感じたようだった。オンデーズは、被災地で眼鏡を無償で配ることによって金銭に代えがたい支援を行った。人間として非常に尊敬できる。

2021年で震災から10年が経過した。僕は、今は多少はどん底から立ち直った気がしていて、宮城県に住みつつ、あの時何もできなかったことを思い出す。そして、自分なりにその挽回をしたいと思う。

ちなみに、最近、結婚写真を撮ってきたのですが、メガネはオンデーズで買った眼鏡です^^

https://twitter.com/bukilog/status/1364209333907562498

ちなみに、破天荒フェニックス オンデーズ再生物語はAudibleで聴きました。

リンク貼っておきます。

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